杏の意味は?名付けのポイントを徹底解説!
女優・モデルの杏さん、女優の鈴木杏樹さんなど、「杏」のついた名前からはかわいらしい印象を受けると思います。ただ、子供の名前に使うには、その意味や由来、悪いイメージがないかは知りたいところです。ここでは「杏」を使った名付けのポイントを詳しくご説明します。
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「杏」漢字の読みや画数の基本情報
画数 | 7画 |
---|---|
音読 | アン、キョウ |
訓読 | あんず |
名乗り | あ |
意味 | あんず。別名・唐桃(からもも)。バラ科の落葉高木 |
由来/ 成り立ち |
「木」の下に、果実を表す「口」を組み合わせて、おいしい果実が実る植物を表す。 |
説明の 仕方 |
果実の「アンズ」。木の下に口を書く「アンズ」 |
「杏」の意味や由来は?
「杏」はバラ科サクラ属の植物、「アンズ」を意味する漢字です。アプリコットジャムやお菓子などに使われる果物として有名で、春に桜よりもやや早い2~3月下旬頃に美しい淡いピンク色の花を咲かせ、初夏には黄色に近いオレンジ色のかわいらしい実がなります。
「杏」の文字は、この「木」の枝に、果実を表す「口」が実っているように見えることに由来します。
杏の花
頻繁に使われることはありませんが、アンズは暦(こよみ)上の月名を表すこともあります。12月の異名として師走(しわす)、1月が睦月(むつき)と呼ばれるように、2月を「杏月(きょうげつ)」と表現することがあります。一般的に、2月の異名といえば如月(きさらぎ)が有名ですが、「杏」の花を咲かせる時期にちなんで、このように呼ぶことがあるそうです。
「杏」は男の子にも使える?
「杏」は女の子の名付けに人気の漢字で、字面や響きからもかわいらしい雰囲気があります。杏(アン)、杏奈(アンナ)や、最近では「アン」を縮めて「ア」と読ませて杏美(アミ)という使われ方も見られます。毎年発表される明治安田生命の名前ランキングでは、2004年から毎年、女の子の名前として常に100位以内に「杏」の漢字が使われており、近年では定番の名付け漢字となりました。
かわいらしい雰囲気のある漢字ですが、意外と男の子の名前にも人気です。音読みの「キョウ」という響きを活かして杏太(キョウタ)や杏介(キョウスケ)のような使い方ができ、さわやかな印象を与える名前にできますよ。
「杏」には人助けのイメージもある
「杏」は果物のイメージが強くありますが、古くから薬用としても使われてきた背景があります。杏の種の中にある「杏仁(きょうにん)」と呼ばれる部位を乾燥させると、風邪に効く漢方になります。「杏仁豆腐」にも使われているので、そのイメージが強いかもしれませんね。食用の場合には「あんにん」と読み、薬用の場合には「きょうにん」と読むという違いはありますが、どちらも同じものを指しています。
中国では名医の尊称として「杏林(キョウリン)」という言葉が使われます。これは、古代中国の「太平広記(たいへいこうき)」という小説にある逸話に由来します。ある名医が多くの人の病を治し、その患者たちから治療代をとる代わりに杏の木を植えさせ、その杏の実を売って得た穀物をさらに貧しい人の救済に当てたそうです。ここから名医のことを「杏林」と呼ぶようになったといわれています。
「杏」には、その花や実からイメージする「美しさ」や「かわいらしさ」だけではなく、「人の助けになる・役に立つ」というイメージも備えているんですね。
「杏」に悪い意味はある?注意点は?
「杏」は漢字の成り立ちもシンプルで、特に悪い意味はありません。ただし、花言葉には「乙女のはにかみ」「疑い」「疑惑」などがあります。
「乙女のはにかみ」はアンズの花が桜よりも早く咲くことから、少し先走ってしまったような恥じらいを表して生まれた花言葉で、「疑い」「疑惑」はアンズとスモモの実の形が似ていたことに由来しています。スモモは漢字で「李」と書き、この字を用いたことわざに「李下に冠を正さず(りかに かんむりを たださず)」があります。これは、スモモの木の下で曲がった冠を直そうと手を頭上に伸ばすと、スモモを盗もうとしていると疑われてしまうことの例で、ここからアンズに「疑い」「疑惑」という花言葉が転用されたようです。
一見すると印象の良くない花言葉ですが、由来まで見れば「杏」自体にそれほど悪い印象がないことが分かりますね。
「杏」は海外でも呼びやすい
最近では、子供が将来国際的に活躍することも考えて、外国風に読める名前にするのも人気です。誰もが知っている児童文学に『赤毛のアン』があるように、「アン」は欧米にも親しまれている名前なので、「杏(アン)」なら海外でも呼び名に困ることはなさそうですね。ほかにも「杏奈(アンナ/アナ)」なら、海外で一般的な女性の名前になります。国際的なシーンでも覚えやすい名前になるので、「海外で活躍する女性になってほしい」と願いを込めて「杏」を使うのもいいですね。
「杏」は、外見的にも美しさやかわいらしさをイメージさせ、「人助けが出来るような人になってほしい」という願いも込められる名付けに使いやすい漢字です。また、杏の花が咲く春や、実のなる夏生まれの子に使うのにも適していますね。
才色兼備な女の子になってほしい、誠実で人助けの出来る男の子に育ってほしいなど、素敵な願いを込めた名前を贈ってあげてくださいね。
「杏」を含む名前
- 女の子
行 | 名前 | よみ |
---|---|---|
1 | 杏 | あん |
2 | 杏奈 | あんな、あな |
3 | 杏菜 | あんな、あな |
4 | 杏那 | あんな、あな |
5 | 杏樹 | あんじゅ、あき |
6 | 杏子 | あんず、きょうこ |
7 | 杏鈴 | あんず、あんり |
- 男の子
行 | 名前 | よみ |
---|---|---|
1 | 杏悟 | あんご、きょうご |
2 | 杏侍 | あんじ、きょうじ、こうじ |
3 | 杏一 | きょういち、こういち |
4 | 杏輔 | きょうすけ、こうすけ |
5 | 杏太 | きょうた、こうた |