彦の意味は?名付けのポイントを徹底解説!
「和彦(カズヒコ)」や「真彦(マサヒコ)」など「ヒコ」の響きで男の子の名前に使われる「彦」。古くから名前に使われているため、古風な漢字ととらえる人も多くいます。ただ、細かい意味までご存知の方は意外と少ないかもしれません。名前に使われる「彦」にどんな意味があるのか、名付けのポイントなどをご説明します。
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「彦」漢字の読みや画数の基本情報
画数 | 9画 |
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音読 | ゲン |
訓読 | ひこ |
名乗り | お、さと、のり、ひろ、やす、よし |
意味 | 1. 才徳の優れた男性
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由来/ 成り立ち |
もとは「彥」と書いた。「文」は「入れ墨を書き加える様子」、「彡」は「美しい様子」、「厂」は「おでこを横から見た形」を表し、3つを組み合わせて「おでこに美しい模様を描いている様子」を表現している。 |
説明の 仕方 |
地名の彦根の彦。「顔」の左半分 |
「彦」の意味や由来は?
「彦」にはもともと「才徳の優れた男性」「男性の美称」という意味があります。美称とは、「青色(あおいろ)」に対する「瑠璃色(るりいろ)」のように、ある物事を上品な言い回しに変換した言葉で、「男性」を上品にいうと「彦」と呼ぶわけです。そのため、男の子の名前によく使われていたんですね。
どのようにしてこれらの意味が生まれたのか、漢字の成り立ちと歴史的背景をご説明します。
古くは「彦」は「彥」と書かれていたので、「文」「厂」「彡」の3つに漢字を分解して由来を紐解いていきましょう。
「文」は「入れ墨を書き加える」様子を文字にした漢字で、「彡」は「彩」の字にも使われているように「美しい様子」を、「厂」は「おでこを横から見た形」を表しています。この3つを組み合わせて「彦」は「おでこに美しい模様を描いている様子」を表現し、古代の成人の儀式を示しているのではないか、と考えられています。女性の成人儀式を「姫」といい、それと対になっていることから「彦=男性」という意味合いが強くなったようです。
その後、男性の地域の統率者を「彦」と呼ぶようになり、古代日本の邪馬台国では女性の統率者である「姫」と合わせて「ヒメヒコ制」という制度が設けられました。こうして「彦」には「身分の高い男性」の意味が加わり、古代の天皇家の名前に使われるようにもなりました。この歴史的背景から「彦(あるいは比古)」「姫」が「尊い存在」と扱われるようになり、現在では地名や神社の名前などに見られるまでになったのです。
「彦」は男の子の名前にしか使われない?
漢字の成り立ちから「彦」は男の子の名前に使われるようになり、女の子の名前ではほぼ見られないようです。
人名漢字として使えるようになったのは、戦後1951年(昭和26年)のこと。1961年頃から人気が出始め、明治安田生命の名前ランキングによると「和彦(カズヒコ)」という名前が1969年までほぼ毎年トップ10に入る人気の名前となりました。
現在でも2文字名前の2文字目において泰彦(ヤスヒコ)や達彦(タツヒコ)、秋彦(アキヒコ)、晴彦(ハルヒコ)など様々な組み合わせで使われています。
「ヒコ」以外には、音読みの「ゲン」の響きを使った彦太(ゲンタ)や彦一(ゲンイチ)なども見られます。
頼れる存在になる「彦」
「彦」は漢字の成り立ちから「男の子らしさ」と、歴史的背景に基づいた「古風」「伝統」といったイメージを持ち合わせた漢字です。
また、「才徳の優れた男性」の意味からは「才能があって賢い」様子や「徳があり慕われる」様子を想起し、たのもしさも感じられます。
これらのイメージをもとに「伝統を大切にする子になってほしい」「才色兼備な子に成長してほしい」「男性としてたくましく力強く生きてほしい」などの想いを込められます。
「彦」を名前に使うと魅力的な男性に成長してくれそうです。素敵な想いの込もった名前を赤ちゃんに送ってあげてくださいね。