紬の意味は?名付けのポイントを徹底解説!
一文字名前として人気がある「紬(ツムギ)」。具体的にどんな意味をもつ漢字かご存じですか?「紬」がもつ意味やイメージを知ることで、名前に込める想いや願いの幅が広がりますよ。素敵な名付けができるように、「紬」の意味や由来、名付けの注意点をご説明します。
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「紬」漢字の読みや画数の基本情報
画数 | 11画 |
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音読 | チュウ |
訓読 | つむ(ぐ)、つむぎ |
名乗り | つ、つむ、むぎ |
意味 | 1. つむぎ(絹織物の一種)
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由来/ 成り立ち |
熟した果実の中身を抜き出すことを表す「由」に「いとへん」を組み合わせ、引き出された糸で織られた着物を表すように。 |
説明の 仕方 |
着物の「ツムギ」、糸と由を合わせた字 |
「紬」の意味や由来は?
「紬」は、「ツムギ」と読んで日本古来からある丈夫な絹織物の一種を意味する漢字です。鹿児島県の「大島紬」や茨城県・栃木県の「結城紬」は高級な絹織物としてよく知られています。そのほかにも新潟県の「塩沢紬」、長野県の「信州紬」など各地に根差した様々な紬があります。
この漢字の成り立ちは、ひょうたんのような形をした熟した果実から、溶けて中身を抜き出すことを意味する「由」に、「いとへん」がくっついてできています。「糸を引き出す」様子から転じて「引き出された糸で織られた物」を意味するようになり、いつしか絹織物を表すようになりました。
「紬」はセンスがいい着物?
「紬」は世界一緻密な絹織物とも呼ばれ、特に結城紬を生み出す職人の技術は日本が誇る国の「重要無形文化財」にも指定されています。丹誠を込めて作られる着物のなかには製作に1年ほどかかるものもあるため、高級な着物と位置付けられているのです。
しかし、その「紬」は江戸時代頃までは「庶民の普段着」として使われていました。とても丈夫なので、親子何代にも渡って着続けられていたそうです。ところが時代が下ると、「渋い色合いで無骨な着物なのに、実は高級な絹でできた着物である」という背景から着物ツウの間で注目を集めるようになったのだとか。最初は布地が固くてゴワゴワしているものの、長く着続けるほどに体にフィットして味が出てくるという特徴もツウ好みだったようです。
それ以来、「紬」はさりげなくセンスの良さをアピールできる粋な着物として人気を博しています。
「紬」を名付けで使うのは変?
「着物の名称を子供の名前にするのは変じゃないかな?」と気にする人もいるかもしれませんが、最近ではそれほど珍しい名前ではありません。特徴的な「ツムギ」という読みのかわいらしさからアニメや漫画の女性キャラクター名に使われたこともあり、一般的な使用例も増えています。
明治安田生命が発表する名前ランキングでは2014年の女の子の名前ベスト100で38位にランクインしているほどです。
最近では「ツムギ」の頭文字だけをとって「ツ」と読ませたり、「ツム」や「ムギ」という部分だけを利用したりする名前も見られるようになりました。
「紬」のイメージは?悪い意味は?
おじいちゃんやおばあちゃん、着物が好きな人には、「紬=高級着物」というイメージが強いので、「美しさ」や「気品」といった印象をもたれるかもしれませんね。しかし、一般の人には「紬」に対するイメージはあまりなく、字面から「古風」「和風」「日本的」という印象を与えることがほとんどです。
ただし、「紬」の元になる紬糸は、屑繭(くずまゆ)と呼ばれる生糸の粗悪品と言われていたこともあり、「悪いイメージ」を不安視する人もいます。しかし、「紬」自体が悪い意味を持つわけではないので、それを取り上げて過度に心配する必要はありませんよ。
願いや想いを「紬」に込めて
「紬」の着物としての性質から派生して、様々な願いや想いを考えることができます。たとえば、絹織物なのに素朴な風合い、独特の質感をもつことから、「美しいけど気取らない」「自分らしさを貫く」といった想いを込めて名前に使われることもあります。不揃いの紬糸を丁寧により合わせて作る必要があるので、「根気強く努力する」というイメージをもたせることもできますね。
また、糸をつむぐという動詞としての意味で「言葉をつむぐ」「夢をつむぐ」「希望をつむぐ」といった使用例があることから、「自分らしく大切なモノを築きあげてほしい」という願いにつなげられそうです。
「紬」は、高級着物から派生する「気品」や「古風」といったイメージのほか、その着物の性質や背景などを知ることで、「自分らしく生きてほしい」といった願いや想いを込めることもできます。素敵な願いを込めた名前をつけてあげてくださいね。