櫂の意味は?名付けのポイントを徹底解説!
「櫂」は「カイ」の響きを用いて名前に使われる漢字です。ただ、あまり見慣れない漢字ですし、意味を詳しく知らないという人も少なくありません。名前に使うなら意味や由来、どんな願いを込められるのかは押さえておきたいですね。「櫂」を使った素敵な赤ちゃんの名前を考えられるように名付けのポイントをご説明します。
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「櫂」漢字の読みや画数の基本情報
画数 | 18画 |
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音読 | トウ |
訓読 | かい |
名乗り | こずえ、たく |
意味 | かい。船具の一つ |
由来/ 成り立ち |
右側の「翟」は鳥が羽を広げて飛び立とうとしている様子を表す。これに「木」を組み合わせて「(木で作られた)羽を広げたような形の道具」を表す。 |
説明の 仕方 |
「木」に旧字体の「羽」と「隹(ふるとり)」を組み合わせた字 |
「櫂」の意味や由来は?
かい
「櫂」は、訓読みで「かい」と読み、そのまま意味も表しています。では、「かい」とは何かというと、船具の一つで水を掻いて船を進める道具を指します。ひょっとすると、「オール」という言葉ならピンとくる人もいるかもしれません。この漢字の成り立ちは、漢字の右側にある「翟」が深く関係しています。
「翟」は「鳥」を表す「隹」と「羽」の旧字体である「羽」を組み合わせて「鳥が羽を広げて飛び立とうとしている様子」を表した字です。これに「木」を組み合わせて「(木で作られた)羽を広げたような形の道具」、つまり「かい」を意味するようになりました。「かい」は船上だけでなく、日本独自の文化である日本酒を作るときにも使われます。「櫂棒」と呼ばれる棒で菌をかき混ぜ、発酵を平均化させるために使われ、この作業工程を「櫂入れ」と呼ぶそうです。
ちなみに「翟」を使った字はほかにもたくさんあります。「濯」という字は「水辺で鳥が羽を広げて体を洗う様子」を表し、現在でも「洗う」の意味で「洗濯」と使われています。また、「扌(てへん)」を合わせた「擢」は、「鳥の羽を手で引っ張る様子」から「抜き取る」の意味で「抜擢」と使われています。
「カイ」の響きで名前に使われる「櫂」
「櫂」がもつ「カイ」の響きは、もともと「海」の字が当てられて男の子の名前によく使われていました。そこに、「櫂」が2004年から人名として使えるようになって、「カイ」の響きの選択肢に広がりを与えました。
最近では人気が高まっており、2014、2015年に明治安田生命の名前ランキングで一文字名前の櫂(カイ)が男の子のトップ100にランクインしています。ほかに漢字を組み合わせて櫂人(カイト)や櫂史(カイジ)、櫂晴(カイセイ)などの名前を考えることもできますよ。
「櫂」には「カイ」以外にも「トウ」や「タク」といった男の子の名前に仕えそうな響きをもっています。ただし、「櫂」の漢字自体が最近になって目にする機会が増えた字なので、読み方を知らない人が多くいることは覚えておきましょう。
「櫂」にはどんなイメージがある?名付けの注意点は?
「櫂」は同じ「カイ」の響きをもつ「海」の字と同様に「海」「川」などの自然を連想させる漢字です。船のオールを表すため「前進」や自分の力で進む「力強さ」「自立」などのイメージもあります。「櫂」を使った言葉で「櫓櫂(ろかい)なし」という慣用句があり、これは「(船を進める上で)頼みとするものがないこと」を表し、ウラを返すと前進に「欠くことのできない重要なもの」と考えることもできます。
一方で、良くも悪くも字自体が「珍しい」印象を与える漢字でもあります。2004年から名前に使えるようになった漢字なので、「目新しさ」を表現できるともとれますが、日々の生活でなかなか馴染みがありません。
そのため、漢字の「読み方」や「書き方」について説明する機会がたびたびおとずれる可能性があることは覚えておいて下さいね。
「櫂」の「前進」のイメージを活かして赤ちゃんに名前を贈る
「櫂」がもつ「前進」のイメージを活かせば、様々な願いや想いを込められます。
たとえば、「かい」を使って水辺を進む姿からは「自分で進路を決める力強さ」を感じ、「自分の意志で進むべき道を切り開ける子に」とたくましさを願いに込めることができます。また、左右の漕ぐスピードでバランスを取りながら行きたい方向を決めるので「バランス感覚に優れた子に成長してほしい」と願いを込めることもできますね。
先ほどの「櫓櫂(ろかい)」という言葉を使ったことわざに「櫓櫂の立たぬ海もなし」があり、これはどんなに広い海でも櫓櫂が使えない海はないことを表します。言い換えると、「どんな困難でも努力すれば何とかなる」と表現できるので、ここから「努力を惜しまない実直な子に」と想いを託すこともできますね。
「海」「川」など「水辺」を連想させる「櫂」。前進や自立といったポジティブなイメージを連想させるので名前に使いたくなりますね。ぜひ願いの込もった素敵な名前を、これから生まれてくる赤ちゃんに贈ってあげてくださいね。