之の意味は?名付けのポイントを徹底解説!
「ユキ」「ノ」の響きで男の子の名前によく使われる「之」。古くは、漢字だけで文章を構成する『漢文』の中でよく使われましたが、私たちの普段の生活ではあまり馴染みがありません。一体どのような意味をもち、名前に使われるのでしょうか。素敵な名前を考えられるように「之」の意味や由来、名付けのポイントをご説明します。
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「之」漢字の読みや画数の基本情報
画数 | 3画 |
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音読 | シ |
訓読 | こ(の)、これ、ゆ(く) |
名乗り | いたる、くに、つな、の、のぶ、ひさ、ひで、やす、ゆき、よし、より |
意味 | 1. 出る。至る
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由来/ 成り立ち |
もとは「止」と「一」を組み合わせて作られた漢字。「止」は人の足の形で、「一」は直線を表し、2つを組み合わせて「まっすぐに歩みを進める」様子を表現している。 |
説明の 仕方 |
平仮名の「え」に似た漢字 |
「之」の意味や由来は?
諸説ありますが、「之」はもとは「止」と「一」を組み合わせて作られた漢字だといわれています。「止」は人の足の形をかたどった字で、これに直線を表す「一」を組み合わせて「まっすぐに歩みを進める」様子を表現したのが「之」です。ここから、歩き始める様子を表して「出る、至る」の意味をもつようになりました。
「之」の字が生まれて少しすると、指示代名詞の「コレ」「コノ」、助詞の「ノ」の響きに当てて使われるようになりました。今から3000年以上前に作られた現存する最古の文章、『甲骨文』の中でも、すでに「之の日(コノヒ)」と使われています。このように当て字として助字の意味が生まれたのでした。
「ユキ」「ノ」の響きで男の子に使われる「之」
「之」は名前に使われる場合、ほとんどが男の子に使われます。使用例は大きく2つあり、1つは名前の最後に「ユキ」の響きで孝之(タカユキ)や智之(トモユキ)のように使われ、もう1つは三文字名前の中間で「ノ」の響きで蔵之介(クラノスケ)や龍之介(リュウノスケ)のように当てられます。
特に最近では「ユキ」よりも「ノ」の響きで当てられることが多く、明治安田生命の名前ランキングによると悠之介(ユウノスケ)や隆之介(リュウノスケ)など、2005~2015年まで11年間で10回も「之」を使った名前がランクインしています。
女の子での使用例は多くありませんが、「ノ」の響きで雪之(ユキノ)や穂之華(ホノカ)などが見られます。
「ユキ」の響きで「ユキネ」「ユキノ」のように名前の先頭で使ってもよさそうですが、「之」は画数が少ないので、名前の先頭だと少しバランスが悪く見えることもあります。全体のバランスを意識しながら名前を考えてあげましょうね。
「之」の画数は3画?4画?
「之」は多くの辞書や書籍で画数が「3画」の漢字だと記載されています。しかし、一部「4画」と記載されているものもあります。姓名判断などの画数が重要な場面で「どっちが正しいの?」と困惑することがあるかもしれません。実は、この画数の違いは「部首のとらえかた」が関係しています。
「之」を分解して「`」「フ」「_」の3つに分解したときに、3画の場合は上部の「`」を部首ととらえています。一方、4画の場合は「フ」をさらに「 ̄」と「ノ」の2つに分け、「ノ」を部首ととらえているのです。時代とともに字の形が整えられていく過程で、部首が変わりこのような画数の違いが生まれました。
姓名判断の流派によっても「之」の画数のとらえかたは違うので、都度どういった数え方をするか確認して、納得のいく漢字選びをしてくださいね。
「之」にはどんな願いや想いが込められる?
「之」にはもともと漢字がもっている一歩一歩「まっすぐに歩みを進める」の意味と、赤ちゃんの一日一日の成長を重ねると様々なイメージが生まれていきます。「全進」「力強い成長」「可能性の広がり」「積極的」など様々な前向きのイメージが連想できますね。
どれもポジティブなイメージで、ここから願いや想いを込めるなら「困難にぶつかっても前進する人になってほしい」「力強く一歩一歩生きてほしい」「率先して自ら道を切り開くように」などが考えられます。
「之」は画数が少なくシンプルで、「前進」を表す良い意味をもった漢字です。「之」を使って素敵な名前を赤ちゃんにプレゼントしてあげてくださいね。