紅の意味は?名付けのポイントを徹底解説!
「紅」は、年末のテレビ番組「紅白歌合戦」の「紅組」や、「口紅」などの熟語に見られるように、女の子の印象がある漢字ですね。真っ赤な色のイメージもあると思いますが、名付けで使うなら漢字自体にどんな意味があるかもおさえたいところ。「紅」の意味や由来、名付けの際の注意点などをご説明します。
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「紅」漢字の読みや画数の基本情報
画数 | 9画 |
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音読 | ク、コウ |
訓読 | あか、くれない、べに |
名乗り | いろ、くれ、もみ |
意味 | 1. くれない
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由来/ 成り立ち |
ツクリの「工(コウ)」は、同じ響きをもつ「烘(コウ)」という漢字の「かがり火」という意味から「火のようにあかい色」を連想させる。これに「糸」を組み合わせて「あかく染めた布」を表現した。 |
説明の 仕方 |
紅白の紅。「くれない」 |
「紅」の意味や由来は?
ベニバナ
「紅」は「くれない」「あか」「べに色」など、色を表す漢字です。これは漢字をヘンの「糸」とツクリの「工」に分解すると由来が見えてきます。
「工(コウ)」は、同じ響きをもつ「烘(コウ)」という漢字の「かがり火→火のようにあかい色」という意味を持ち合わせ、これに布を表す「糸」を組み合わせて「赤く染めた布」を表現しました。
この「紅」は一般的な「赤色」とは区別され、古い中国の書物に「(紅は)赤白色なるものなり」と記述してあることから、白みがかった赤色を表していました。この色を出すために使われていた染料が「ベニバナ」でした。
「クレナイ」の読みは、このベニバナに由来しているといわれます。日本では当時、藍染めが一般的だったために染料全般を「藍(アイ)」と呼んでいました。一方、中国大陸は当時、呉(クレ)という国名だったので、ベニバナは「中国からきた染料=呉という国の藍」であるとして、「呉の藍=クレナイ」と呼ばれるようになったのです。これで現在のような、「アカ=クレナイ=ベニ」という関係が成立しました。
「紅」はどんな色?「赤」や「朱」とどう違う?
「紅(アカ)」は白みがかった赤色と説明しましたが、現在では紅茶や紅葉などと使われるように少し濃い赤色を指すように変化しました。
ここでは「紅」と「赤」はどう違うのか、名前で使われる「朱」や「茜」のような「赤系統」の漢字もあわせて確認しましょう。
「赤」は苺の色、血の色と例えられることが多く、鮮やかな印象があります。これを基準にすると「紅」は少し濃い赤色。植物のベニバナを染料として植物由来のため、口紅などでも使われます。「朱」は反対に「赤」より薄く、少し黄色味がかっていますね。鉱物を染料としているため、陶器や印鑑を押すときに「朱肉」としても見かけますね。「茜」は少し黒みがかった赤色で、夕暮れの様子を「茜色の夕陽」と表現することからイメージできますね。こちらも植物から染料を作っているため、染め物などで使われています。
女の子らしい印象の「紅」
男女を区別するときに女性には「赤色」が当てられたり、「紅一点」や「口紅」などの熟語に使われたりするように、「紅」は女の子の印象を受ける漢字です。一文字名前で紅(ベニ)と使ったり、「アカ」の響きを使って紅音(アカネ)、紅莉(アカリ)と使われたりします。
また、秋生まれの子には当て字として浸透している紅葉(モミジ)という特殊な響きを名前に使うのも素敵ですね。
一方、使用例は少ないながらも男の子の名前に使われることがあり、「コウ」や「ク」の響きを使って紅太(コウタ)や紅輝(コウキ)、李紅(リク)などの名前で使われることがあります。
エネルギッシュで美しさも備える「紅」
「紅」はその燃え上がるような色のイメージから想像を膨らませて、「情熱的でエネルギッシュ」な様子を想起できます。その中でも「紅艶(コウエン)」という言葉があるように「女性らしい艶っぽさ」のイメージもあります。
また、「紅」を使った慣用句に「柳は緑、花は紅」という言葉があり、「自然のままで人工の加わっていない」様子を意味します。ここから「自然な美しさ」というイメージも出てきます。
これらのイメージを組み合せて「活発で頑張り屋な子になってほしい」「美しく魅力的な人になりますように」「周囲から一目置かれる存在に」などの願いを込められますね。
日本語には色を表す漢字がたくさんあります。どの漢字がイメージに近いのか、漢字の違いを理解し、「紅」を使って素敵な名前を考えてあげてくださいね。
【組み合わせて使われる漢字】
紅音(アカネ)
紅莉(アカリ)
紅葉(モミジ) など