庵の意味は?名付けのポイントを徹底解説!
「庵」は「アン」や「イオリ」といった特徴的な響きをもつ、数少ない漢字の1つです。料亭などの名前で見かける機会もあり、日本的で落ち着いた印象を受けると思います。この漢字を名付けに使う場合、どんな願いが込められているのか理解するために「庵」の意味や由来、名付けのポイントをご説明します。
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「庵」漢字の読みや画数の基本情報
画数 | 11画 |
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音読 | アン |
訓読 | いおり |
名乗り | いお |
意味 | 1. いおり。草ぶきの小さな家
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由来/ 成り立ち |
「おおいかぶさる」の意味をもつ「奄」と「家の屋根」を表す「广」を組み合わせた漢字。「(草で)屋根をおおった家」を表現している。 |
説明の 仕方 |
漢字一字の「イオリ」 |
「庵」の意味や由来は?
「庵」は訓読みで「イオリ」と読んで「草ぶきの小さな家」を表します。僧や尼が世間から離れて静かに暮らすための家のことで、後に「○○庵」と使って、文学に携わる人・茶道に通じる人などの名前や住居を表したり、料亭の屋号に使われたりするようになりました。
この漢字の成り立ちは内部の「ものをおおう、おおいかぶさる」ことを表す「奄」と「家の屋根」を指す「广」を組み合わせたことに由来します。2つが組み合わさって「草で屋根をおおった家」を表現する漢字として「庵」は生まれました。
名付けで貴重な読み方をもつ「庵」
「庵」は「イオリ」と「アン」の響きをもった字です。どちらも個性的で、その響きをもつ漢字は多くありません。
「イオリ」の響きは「伊織」「唯織」「依緒里」など漢字を組み合わせて表現することが多いのですが、一字で「イオリ」と読めるのは「庵」だけです。「イオリ」の響きは「男の子」を連想させることが多いので、女の子に使う場合には庵莉のように女の子らしい漢字を組み合わせて使うこともあるようです。
「アン」の響きも果物のアンズを表す「杏」くらいしか漢字がないので、落ち着いた雰囲気をもたせる場合は「庵」がよく使われます。女の子なら一字で庵(アン)や庵珠(アンジュ、アンズ)、庵奈(アンナ)など、男の子なら庵悟(アンゴ)や庵治(アンジ)などが考えられます。
「庵」にはどんなイメージがある?
「庵」は「芭蕉庵(ばしょうあん)」のように「○○庵」と使われて、文人・画家・書家・学者などが本名以外につける風雅な名前を表します。これを「雅号」といって、日本文化と関係が深いため「古風」「和風」で、かつ「芸術」「才能のある」イメージがあります。
また、日本料理の料亭の名前で「庵」の字を目にする機会もあるのではないでしょうか。これは「僧」、つまり「仏教や寺院」に関係があります。昔とある寺院に「道光庵」という僧の住まいがあり、ここの主人が蕎麦をつくる名人だったことから、ほかの人も競って「庵」の字をお店に使い始め、現在のように料亭で見かけるようになったそうです。
「庵」に願いを込めて赤ちゃんに名前を贈る
「庵」を使って名前に願いや想いを込めるなら、先ほどの漢字のイメージを活かしてあげましょう。
文人や画家などが「雅号」に使っていた「古風」「芸術的」なイメージから「趣のある落ち着いた雰囲気の人になってほしい」「芸術面で才能が花開くように」「個性豊かな人になってほしい」と願いを込めることができます。
また、「小さな家」という意味もとらえ方によっては「謙虚」「控えめ」と考えられるので「謙虚に努力できる子になってもらいたい」と表現することもできるのではないでしょうか。
日本的な印象をもった「庵」。「古風」「芸術」などのイメージをもとに素敵な願いを込めて名前を考えてあげてくださいね。
【組み合わせて使われる漢字】
庵珠(アンジュ、アンズ)
庵奈(アンナ)
庵莉(アンリ) など
庵悟(アンゴ)
庵治(アンジ) など