徳の意味は?名付けのポイントを徹底解説!
学校の授業で目にしたことのある「道徳」の「徳」。「人徳」「高徳」「聖徳太子」など、「徳」を使った言葉からは、人間性の優れている様子がうかがえるので、「名前に使いたい!」と考える人も多いのではないでしょうか。「徳」とはいったい何を指すのか、意味や由来、名付けのポイントをご説明します。
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「徳」漢字の読みや画数の基本情報
画数 | 14画 |
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音読 | トク |
訓読 | - |
名乗り | あきら、あつ、あつし、あり、いさお、え、かつ、さと、ただし、とこ、とみ、なり、なる、のぼる、のり、みち、めぐむ、やす、よし |
意味 | 1. 品性として身に得ているもの
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由来/ 成り立ち |
もとは「悳」と書いた。これは「直線」の「直」と「心」を合わせて「まっすぐな心」を表した漢字で、その後に「彳(ぎょうにんべん)」を加えて「まっすぐ正しい行い」を表すように。 |
説明の 仕方 |
道徳の徳 |
「徳」の意味や由来は?
「徳」の漢字は、本来「品性を向上させるために人が習得すべきもの」また、「(習得して)品性として身に得ているもの」を意味します。
「徳」の成り立ちには諸説ありますが、「徳」はもともと「直線」の「直」と「心」を組み合わせた「悳」と書いて、「まっすぐな心」を表していたといわれています。その後、「彳(ぎょうにんべん)」を加えて「まっすぐ正しい行い」と変化し、漢字の形が整えられて現在の「徳」の形になりました。
人として大切な「徳」の考えとは?
では、具体的に「徳」とは何を指すのでしょうか。
「徳」は簡単にいうと「人が行うべき道」「立派な行為」「善い行い」のことで、ときに「仁義」と言い換えられたりもします。これらは重要な考えだとされ、古くから何を「善い行い」とするのか議論がなされてきました。
中国では、儒教という考え方の中で「5つの徳」が大切だと説かれています。すなわち、思いやりを指す「仁」、正義を指す「義」、敬いの心を指す「礼」、豊富な知識を指す「智」、誠実さを指す「信」の5つの徳を積むことが人として大切だと考えられたわけです。
また、ヨーロッパでは「思慮、叡智」「正義」「忍耐、勇気」「節制」の4つの項目が挙げられています。
儒教における「智」とヨーロッパの「思慮、叡智」、「義」と「正義」のように、中国でもヨーロッパ、その他の国も同様にどこか似たような項目を挙げられていることから、国や言語、宗教などの壁を越えて「善い行い」を表す「徳」は人間の普遍的な価値観であると考えられます。
「徳」は名前にどう使われている?
「徳」は江戸幕府の将軍家である「徳川」のように、苗字でよく目にすると思いますが、名前では「ノリ」の響きでよく使われています。この「ノリ」の響きは「(人として)守るべき規則、規範」を表す「則」「範」の読みから生まれたもので、男の子なら和徳(カズノリ)や徳之(ノリユキ)、英徳(ヒデノリ)など、女の子では美徳(ミノリ)や徳華(ノリカ)などと使われます。
ほかにも「トク」の響きで徳真(トクマ)、徳子(トクコ)と使われたり、「善い行い」から関連して生まれた「ヨシ」の響きで徳明(ヨシアキ)や徳紀(ヨシキ)、徳郎(ヨシロウ)と考えたりすることもできますよ。
「徳」のもつ響きは、どれも漢字がもつ意味と深い関係があるようです。
「徳」を使って赤ちゃんの名前に願いを込める
「徳」の漢字を赤ちゃんの名前に贈るなら、「徳が高い子に」「優れた人格をもった子に育ってほしい」と願いを込められそうですね。
「徳」が表現する「立派な行為」「善い行い」とは、様々な言葉に言い換えることができます。「誠実である」「愛情深い」「思いやりがある」「敬いの心をもつ」「聡明」「いつも自然体」「強い意志がある」「気品のある」「いつも謙虚」「利他的」「信頼しあう」など、どれもポジティブな印象を受けますね。
これらの具体的な言葉と、これから生まれてくる赤ちゃんが成長する姿を重ねて、「どんな人になってほしいのか」願いの込もった名前を贈ってあげましょう。その想いを胸にきっと大きく成長してくれるはずですよ。
【組み合わせて使われる漢字】
和徳(カズノリ)
徳真(トクマ)
徳之(ノリユキ)
英徳(ヒデノリ)
徳明(ヨシアキ)
徳紀 など