翠の意味は?名付けのポイントを徹底解説!
「翠」の字を「ミドリ」と読んで「緑色」を想像するかもしれません。熟語の「翡翠(ヒスイ)」をイメージする人もいると思います。しかし「翠」は本来、「鳥」を表す漢字だということはあまり知られていません。「翠」ができた由来や意味、イメージなど、名付けのポイントをご説明します。
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「翠」漢字の読みや画数の基本情報
画数 | 14画 |
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音読 | スイ |
訓読 | かわせみ、みどり |
名乗り | あき、あきら |
意味 | 1. かわせみ。雄を翡、雌を翠という
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由来/ 成り立ち |
「混じりけのない綺麗な羽をもつ鳥」が由来。「卒」は「混じりけがない」の意味で、「羽」を組み合わせて鳥の名前に当てた。 |
説明の 仕方 |
翡翠(ヒスイ)の翠、羽がつく「みどり」 |
「翠」の意味や由来は?
「翠」は一文字でブッポウソウ目カワセミ科の「カワセミ」という鳥を意味する漢字です。漢字をよく見ると「羽」と「卒」に分けられ、これがカワセミの特徴をよく表しています。
「卒」は「混じりけがない」という意味で、これに「羽」が組み合わさって「混じりけのない綺麗な羽をもつ鳥」の意味になりました。「カワセミ」は鮮やかな色の羽をもっていたので「翠=カワセミ」を指すようになったのです。
「翡翠」と書いて「ヒスイ」と読むのが一般的ですが、「カワセミ」と読むこともあります。これはメスのカワセミを「翠」といい、オスのカワセミは「翡」で表すことがあることに由来します。
「翡翠(カワセミ)」はどんな鳥?
「カワセミ」は羽が鮮やかな青緑色で、水辺に生息するスズメほどの大きさの鳥です。羽の色は一羽一羽微妙に違いますが、全体的に雌の羽は雄に比べて落ち着いた緑色に見えるので、特にメスのカワセミを意味する「翠」には「ミドリ」の読みが当てられるようになりました。ここから「緑色、萌黄色」の意味が生まれたのです。
メスのカワセミ
さらに、美しい「緑色」をした宝石に「翠」が使われるようにもなります。古くから宝石はまとめて「玉(ギョク)」と呼ばれていましたが、特に半透明で薄緑色の石が「翡翠(カワセミ)」の羽の色に似ていたことから音読みの「ヒスイ」があてられるようになったのです。
そして「翡翠玉(ヒスイギョク)」と使われていたものが、後に「翡翠(ヒスイ)」だけで宝石を意味するようになりました。
「翠」にはどんな名乗りがある?
「翠」には、「ミドリ」「スイ」以外にも色々な読みがあります。鮮やかで「明るい」緑色を表すことから「明」のもつ「アキ」「アキラ」の名乗りもあります。
女の子なら、たとえば一文字名前で翠(ミドリ、スイ)や「ヒスイ」の響きになるよう妃翠、陽翠と当てたり、千翠(チアキ)という名前で使われたりします。
男の子は「アキ」「アキラ」の響きが使いやすく、一字で翠(アキラ)や翠斗(アキト)、和翠(カズアキ)などの名前が見られます。
「翠」のイメージを活かして願いを込める
「翠」がもつ「きれいな緑色」の意味から「美しく上品」な印象を与えるので、その連想で名前に使うのも素敵ですね。「翠」には「ヒスイ」がもつ「キラキラとしたイメージ」や「カワセミ」の「躍動感のある生き生きとしたイメージ」も重ねあわせることができます。
このとき、「緑色」を意味する漢字には他にも「緑」「碧」があるので、色の違いも参考にして、どれを使うか選んであげるといいですよ。
こうしたイメージから「澄んだきれいな心を持った子になってほしい」「宝石のように美しい子に育ってほしい」や「活発で何事にも興味をもつ探求心のある子に成長してほしい」「毎日生き生きと過ごしてほしい」などの願いを込めることができます。
日本語では色を表す漢字はたくさんあります。子供の成長する姿を想像しながら、どの色のイメージが合うかを吟味するのも楽しい時間ですね。「翠」を使って素敵な名前を考えてみましょう。