麻の意味は?名付けのポイントを徹底解説!
「麻」は「麻衣(マイ)」「麻美(アサミ、マミ)」「麻央(マオ)」など、近年女の子の名前で目にする機会が増えている漢字です。どんな意味をもち、どんな願いを込めて使われているのかなど、「麻」を使った名付けのポイントをご説明します。
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「麻」漢字の読みや画数の基本情報
画数 | 11画 |
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音読 | マ |
訓読 | あさ |
名乗り | あさ、お、ぬさ、ま |
意味 | 1. 麻。お。大麻
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由来/ 成り立ち |
「林」の部分だけで、もともと植物の「あさ」を表していた。これに建物の屋根を表す「广」を組み合わせて「(屋内で)手作業であさをほぐす」様子を表現したのが「麻」。 |
説明の 仕方 |
胡麻の麻、麻布の麻 |
「麻」の意味や由来は?
「麻」は訓読みで「あさ」と読み、クワ科(アサ科とする説もある)の植物を表しています。また、その植物の皮から取れる繊維素材のことも指します。
この漢字の成り立ちは、中心にある「林」がもともと「𣏟」という字をしていたことから始まります。「𣏟」はこれだけで植物の「あさ」の意味があり、これに建物の屋根を表す「广」を組み合わせて「(屋内で)手作業であさをほぐす」様子を表現したのが「麻」です。ここから植物の「あさ」や、それを加工して生まれた「麻糸、麻布」などの意味が生まれました。
「麻(あさ)」はどんな植物?
「麻」は先述した通り、「繊維素材」によく使われる植物です。別名の「リネン」の方が聞きなれている人もいるかもしれません。衣服やベッドに敷くシーツ、ハンカチなど日常的に目にするものに使われており、吸水性や通気性に優れ、引っ張りに強い特徴をもっています。ただし、厳密には私たちが日常的に「あさ」と呼んでいるものは、漢字本来の意味である「クワ科」だけに限らず、「アマ科」「イラクサ科」など別の科目も含まれているようです。
植物の皮のほかに、「あさ」から取れる果実も私たちの生活に馴染みがあります。その名の通り「麻の実」と呼ばれ、タンパク質など栄養価が高く、現在でも七味唐辛子などの香辛料に混ぜて食用として広く親しまれています。
この「あさ」は、実は日本の文化とも深く関係しています。たとえば、神社などで神主さんがお祓いをする際、棒に白いヒラヒラしたものをつけた道具を左右にパッパッと振る場面に出くわしたことはないでしょうか。あの道具の名前を「大麻」と書いて「おおぬさ」と読みます。白いヒラヒラの正体は「白い紙」や「麻の繊維を束にしたもの」で、古来より穢(けが)れを拭い去る効果があると考えられていました。
女の子の名前に人気の「麻」
「麻」を使った名前は1980年代から女の子の名前で人気が出始めました。明治安田生命の名前ランキングによると、麻衣(マイ)は1983〜1994年の12年間、麻美(アサミ、マミ)が1982〜1988年の7年間、常にトップ10に入るほどでした。これらに加えて、最近では麻央(マオ)や麻結(マユ)、瑛麻(エマ)、麻依子(マイコ)など、様々な組み合わせの名前が見られるようになりました。
「麻」は女の子の名前に人気ですが、男の子にも使えます。その場合、悠麻(ユウマ)や壮麻(ソウマ)、拓麻(タクマ)、春麻(ハルマ)のように、ほとんどが名前の最後に「止め字」として使われます。
強くしなやかな「麻」
植物としての「麻」は生命力が強く、4ヵ月で2.5mほどにまでなる成長の速さが特徴です。「生気に満ちた」「エネルギッシュ」なイメージが連想されますね。
また、繊維としての「麻」は強くしなやかな特徴があるので、「芯の強さ」「物腰の柔らかさ」とイメージを膨らませることもできます。
これらのイメージを活かして、「生きる気力に満ち溢れた活発な子に育ってほしい」「たくましく生きてほしい」「芯の強い子に」「周囲の状況を見て、柔軟に対応できる子に」などの想いが込められます。
衣服や寝具に使われている「リネン」のイメージから「周囲を包み込むような、優しく安定感のある人になってほしい」と願いを込めることもできそうです。
人によって字の受け取り方が違うからこそ、「麻」にわが子なりの願いをぜひ込めてあげましょう。素敵な名前をプレゼントしてあげてくださいね。
【組み合わせて使われる漢字】
麻衣(マイ)
麻奈(マナ)
麻理(マリ)
麻由(マユ)
麻希(マキ)
悠麻(ユウマ、ハルマ)
拓麻(タクマ) など