翔の意味は?名付けのポイントを徹底解説!
男の子の名前に使われる漢字のなかでも、5本の指に入る「翔」。「ショウ」の響き、字面のかっこ良さ、願いのこめやすさだけではなく、「ト」の響きで止め字として使えるのも人気の秘密です。「翔」を使って素敵な名付けができるように漢字の意味や由来、名付けのポイントをご説明します。
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「翔」漢字の読みや画数の基本情報
画数 | 12画 |
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音読 | ショウ |
訓読 | かけ(る)、と(ぶ) |
名乗り | かける |
意味 | 1. とぶ。かける
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由来/ 成り立ち |
「羊(ヨウ)」は同じ響きの「揚(ヨウ)」がもつ「高く上がる」という意味をもつ。「羽」と組み合わせて「羽を使って空高く飛ぶ」の意味に。 |
説明の 仕方 |
飛翔の翔。「羊」の右に「羽」 |
「翔」の意味や由来は?
「翔」は「空高く飛ぶ」という意味をもつ漢字です。「羽」がつくことからなんとなく想像がつきますね。
漢字の成り立ちには諸説ありますが、ヘンの「羊(ヨウ)」が同じ響きをもつ「揚(ヨウ)」の「高く上がる」という意味をもつようになり、ツクリの「羽」と組み合わせて「羽を使って空高く飛ぶ」という意味になったといわれています。
その後、高く飛んだ鳥は色々なところに飛び回るというイメージから派生して「巡る、あちこち回る」という意味も生まれました。
ベストセラー小説から生まれた「翔」の人気
「翔」は人名漢字として使えるようになった1981年以降、常に名前の人気漢字として君臨しています。明治安田生命が発表する名前ランキングによると、1982年に翔(ショウ)が男の子の人気名前の10位にランクインしたのを皮切りに、2010年までほぼ毎年のようにベスト10にランクインしてきました。
この人気の背景には作家・司馬遼太郎のベストセラー小説『翔ぶが如く』の影響があるといわれています。これは1972年から連載が始まった幕末の志士を描く歴史小説で、読んだ人の多くが登場人物たちのたくましさに憧れ、我が子も志士のように強く成長してほしいと「翔」を子供の名前に使おうとしました。ただ当時は「翔」が人名用漢字ではなかったため、名前に使えるようにと要望も大きかったようです。
そのため、人名用漢字に登録されてからすぐに人気漢字になったと考えられています。ちなみにタイトルの「翔ぶが如く」の「翔」を「ト」と読むのは当て字で、この小説のブレイクとともに「ト」の読みが一般に定着したといわれています。
そして、2011年からは「ト」の響きを活かした佑翔(ユウト)や彩翔(アヤト)、奏翔(カナト)という名前に人気が出てきています。様々な使い方ができることで、2015年には数ある漢字の中で、名前によく使われる漢字の2位に輝きました。
(ちなみに1位は「太」です。)
【「ト」の響きをもつ漢字】
「斗」「都」「杜」「仁」「人」など
「翔」を名付けに使うときの注意点は?
「翔」を名前で使う場合、人気漢字ならではの問題があります。それは「友達と名前がカブる可能性が高い」ことです。組み合わせる漢字を工夫したり、読みで工夫してあげたりするとこの問題は解決されそうですよ。
また、将来子供が中国に行くとしたら、「翔」の漢字の意味に注意が必要です。中国の一部の地域ではトイレに行きたい時などに「翔」の漢字で表現することがあり、「翔=下の話」と連想される可能性があります。日本では意味がよい漢字でも、漢字圏の他の国では異なる意味で受け取られうることは覚えておいてくださいね。
スケールの大きさを感じさせる「翔」
「翔」の漢字からはシンプルに「空高く飛ぶ」イメージが想起されます。鳥が「空高く自由に飛び回る」風景は憧れますよね。空の広さから派生して「希望」や「スケールの大きさ」「束縛されない自由さ」などのイメージも連想できます。
こうしたイメージと、字面のカッコよさ、爽やかな「ショウ」の響きから、男の子にピッタリの漢字といえますね。
「翔」を名付けて強く羽ばたく子に
人気の漢字で、響きもカッコよく「名前に使ってみたい!」と考える人も多いかもしれませんが、ぜひ「翔」の字に願いや想いも込めてあげましょう。
「高く自由に飛び回る」イメージから「自由にのびのびと成長してほしい」「高い目標にも負けずに努力してほしい」という願いをこめられますし、巣立って一人で飛べるように「希望を持ってたくましく毎日を過ごしてほしい」という想いも込められそうです。
また、あちこち飛び回る姿は行動力があり、自立したたくましさを感じられることから「周囲に困っている人がいたら、すぐに駆けつけるヒーローのような存在に」という願いも表現できそうです。
響きも字面もカッコいい「翔」の一字に、子どもの成長した姿に想いを馳せて素敵な想いを込めてあげてください。人生という大空へと大きく羽ばたいてくれるはずです。