の意味は?名付けのポイントを徹底解説!

「仁」は男の子の名前でよく使われる漢字ですが、どのようなイメージを思い浮かべますか?「仁義を通す」のような義理人情の世界の言葉や、皇族の悠仁親王の名を連想する人もいると思います。では、実際のところ「仁」にはどのような意味があるのでしょうか。漢字の由来や成り立ち、名付けのポイントなどをご説明します。

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「仁」漢字の読みや画数の基本情報

画数 4画
音読 ジン、ニ、ニン
訓読 いつくしむ、めぐむ
名乗り きみ、きむ、さと、さね、しのぶ、じ、ただし、と、とく、とし、とよ、のり、ひさし、ひと、ひとし、ひろ、ひろし、まさ、まさし、み、めぐみ、やすし、よし
意味

1. いつくしみ。親しみ
2. 思いやり。情け
3. めぐみ育てる
4. 人の心。心の本体
5. 徳を備えた人
6. 果実の核中にあり、芽となる部分「杏仁(キョウニン)」

由来/
成り立ち
「亻(にんべん)」が人を、「二」が2段の座布団を表し、座布団に座る人の姿を表す。
説明の
仕方
亻(にんべん)に漢数字のニ。仁義の仁

「仁」の意味や由来は?

座布団

「仁」は「いつくしむ、親しむ」「思いやり」など、人の内面を意味する漢字です。この意味は、「亻(にんべん)」が人を、「二」が2段の敷物(座布団)を表し、座布団に座る人の姿を表現したことに由来します。

腰掛けて、人と人とが会話などで親しむ様子が想起され、そこから「いつくしむ、親しむ」「思いやり」などと解釈されるようになりました。

そして、古代中国の思想家・孔子による儒教の教えの中で5つの徳「仁・・礼・・信」の一つとして説かれたことで、道徳的な意味合いももつようになりました。儒教の中で「仁」は「人をいつくしむ」という人間の根源的な愛の形を表すものだとし、「仁をもって最高の道徳」とするほど5つの徳の中でも特別な位置づけとされています。

名前の「仁」の読み方は?

歌手の北川悠仁さんや司会者の草野仁さん、数学者の秋山仁さんなど、「仁」は昔から男の子の名前で人気の漢字です。名前に使える読みも豊富で、「ジン」「ノリ」「ヒサシ」「ヒト」「ヒトシ」「ヒロ」など、一文字名前でも、他の漢字と組み合わせても使えるのが特徴です。

「ジン」と読ませる名前が多く、仁成(ジンセイ)、優仁(ユウジン)、仁太郎(ジンタロウ)のように使われます。また最近では、「ト」と読ませて、名前の最後の止め字として、結仁(ユウト)、陽仁(ハルト)のように使う例がよく見られます。

「仁」はなんとなく男の子の漢字のような印象を持たれるかもしれませんが、女の子の名前でも一般的に使われます。仁美(ヒトミ)や仁菜(ニナ)など、女の子らしい漢字と組み合わせて使うことが多いようです。

論語における「仁」の意味とは?

前述のように、「仁」は孔子が説く儒教という教えの中で人間関係における大切な徳目だと考えられていました。その教えを詳細に記録した書物が『論語』と呼ばれるものです。『論語』の中では「仁」についての明確な定義がされていないため、いくつか「仁」を含む言葉をご紹介します。ここからどのようなイメージをもつ言葉かとらえてみましょう。

「巧言令色 鮮し仁(こうげんれいしょく すくなしじん)」

意味:口先がうまく(巧言)、顔色を和らげて愛想を振りまく(令色)人には「仁」が欠けているということ

「仁者(じんしゃ)は憂(うれ)えず」

意味:仁徳のある人は、(深い愛をもって人と交わることから)敵がいないということ

「剛毅木訥 仁に近し(ごうきぼくとつ じんにちかし)」

意味:意志が強く(剛毅)、飾り気がなくて無口(朴訥)な人は、道徳の理想である「仁」に近い者であること

「知者(ちしゃ)は水を楽しみ、仁者(じんしゃ)は山を楽しむ」

意味:道理をわきまえた人(知者)は、迷いがないので流れる川のように臨機応変に事を処理し、仁徳を備えた人(仁者)は、欲に動かされず山のようにどっしりとかまえているということ

これらの言葉からは、「謙虚の中にも自信があり、どっしりとかまえた様子」や「一本芯の通った様子」、「愛情深い様子」を想像できますね。そのほかにも表現する言葉はたくさんありそうですが、どれも良好な人間関係を創る上で必要な力であることから、人間の道徳観・倫理観の中心に「仁」があると考えられたのでした。

天皇家も認める「仁」

鳥居

前述の通り、「仁」は、儒教の中でももっとも重要な徳の一つで、根源的な愛を表しています。人間の内面性の最上表現であることから、名前に使うにはぴったりの漢字といえそうですね。

実際、天皇家では古来より名前に「仁」を入れるのが恒例になっており、その歴史は約1000年も遡るほどです。そこには慈愛の心を持って国民を見守るという姿勢が投影されているといえますね。

名前に使われる漢字として「仁」は由緒あるものといえるので、安心して名付けに利用できますね。

「仁」の読み方はさまざま

高い

赤ちゃんに「仁」のつく名前を贈るのは、「優れた人間になってほしい」という最大限の願いを込めることにつながりますね。

「思いやり、いつくしみの心をもつ人になってほしい」「人の心がわかる優しい人に育ってほしい」「きれいでおおらかな心をもつ子に育ってほしい」など、表現の仕方は様々ですが、「内面的にすばらしい人になるように」という強い願いを込められます。

名前の読み方もさまざまな「仁」。シンプルに「仁」の一文字名前でもいいですし、他の漢字と組み合わせた素敵な名前を考えてあげるのも楽しいですね。

「仁」がつく名前の例

仁(ハルト、ユウジン)
仁(ハルト)
仁(ユウト、ユイト)
(ジンセイ、ヒトナリ)
仁(シュウト)
(ヒロト、マサト)
仁(リヒト)
(ニナ)
(ヒトミ)
(ヒトエ) など

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