誠の意味は?名付けのポイントを徹底解説!
「誠」を含む言葉には「誠実」「誠意」「忠誠心」などがあり、「筋が通ってまっすぐ」な印象を受けますね。幕末に活躍した「新選組」が身に着けていた羽織や旗に「誠」と掲げられていたことでも有名です。素敵な意味をもつ「誠」を使って赤ちゃんの名前を考えられるように、漢字の意味や由来、名付けのポイントをご説明します。
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「誠」漢字の読みや画数の基本情報
画数 | 13画 |
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音読 | セイ |
訓読 | まこと |
名乗り | あき、あきら、かね、さと、さね、しげ、すみ、たか、たかし、たね、とも、なが、なり、なる、のぶ、のり、まさ、み、もと、よし |
意味 | 1. まこと。偽りでないこと。真実
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由来/ 成り立ち |
「誠」は「言」を「成す」と書き、「発言したことができる→嘘偽りのないこと」を意味する。 |
説明の 仕方 |
誠実の誠 |
「誠」の意味や由来は?
「誠」は漢字を左右で分解すると「言」と「成」に分かれます。「言」には「言う、言葉」、「成」には「出来上がる」という意味がそれぞれあり、これらを組み合わせて「言ったことが出来上がる→発言したことができている→真実」と変化しました。
ここから、「誠」には「まこと、偽りでないこと」の意味があります。
その後に、中国の儒教という考え方のなかで「誠」は用いられるようになりました。儒教では、「仁、義、礼、智、信」の5つの徳を備えることで人生が豊かになることを説き、これらの教えを行動として表したものが「誠」でした。
この考え方を日本で応用したのが、いわゆる「武士道」です。主君に忠誠を誓い、弱い人を助け、親孝行することなどを大切にする考え方で、この根底には儒教の思想がありました。そしてこの武士道に憧れた、幕末の新選組は「誠」の字を紋章として背負ったといわれています。
「一度言ったことを取り消さない」という意味で使われる「武士に二言はない」のことわざも、「誠」の考え方を重んじていた武士の姿勢から生まれたものです。
男の子で歴代1位の人気漢字「誠」
「誠」が名付けに使われる場合は、そのほとんどが男の子です。
誠(マコト)の一文字名前が戦後1950年頃から一気に人気が出て、明治安田生命の名前ランキングによると1952~1984年の33年間、トップ5に入り続け、1位も18回獲得しています。これは、男の子に使われる漢字として歴代1位です。
この「誠」ブームで名前がつけられた人は、2016年現在では32~64歳くらいでビジネスマンとしても成熟した年齢といえますね。実際に、「誠」の付く名前は、日本の経営者で一番多いともいわれています。
ただし、現在では誠(マコト)の人気はそれほど高くありません。「セイ」と読ませて名前に使われる例が増えてきており、一誠(イッセイ)や泰誠(タイセイ)、誠也(セイヤ)などが見られます。
女の子での使用例は少ないですが、「セイ」の響きを使って誠奈(セイナ)や誠愛(セイア)と使ったり、「ミ」の響きを使って誠香(ミカ)などの使用例があったりします。
【「セイ」の響きをもつ漢字】
「聖」「成」「生」「晴」「星」など
「誠」にはどんなイメージがある?
「誠」からはすぐに「誠実」「誠心誠意」などの熟語が連想されますね。ここから「まっすぐで真面目」「心がこもった」様子を想像できます。
ほかに「至誠」という言葉もあります。これは「究めて誠実なこと」を意味する言葉で、前述した儒教に由来します。幕末の学者として知られる吉田松陰が「至誠にして動かざる者は 未だ之れ有らざるなり」、つまり「まごころをもって尽くせば、動かない人はいない」と述べたことでもよく知られています。ここから「人の心をも動かす力強さ」を連想できますね。
また武士道にもつながるので、言ったことをやり通す「有言実行」「達成」「勇ましさ」などのイメージも出てきます。
「誠」には周囲を巻き込む影響力がある
「誠」の一字を名前に使うなら、イメージを活かしてぜひ素敵な願いを込めてあげてください。
まず思いつくのが「素直で誠実な子になってほしい」「嘘をつかない子に」というものではないでしょうか。
他に「有言実行」「達成」のイメージから「言ったことを最後までやり遂げられる人に」「自ら律しながら行動できる人に」が思いつきますね。「至誠」の言葉から「思いやりにあふれ、周囲に慕われるリーダーのような存在に」と願いを込めることもできそうです。
「誠」は「思いやり」、さらには他の人に影響を与える立ち振る舞いを指します。まっすぐで真面目な雰囲気が伝わるこの一字を使って素敵な名前を考えてあげてくださいね。
【組み合わせて使われる漢字】
一誠(イッセイ)
煌誠(コウセイ)
誠司(セイジ)
誠也(セイヤ)
泰誠(タイセイ)
優誠(ユウセイ) など