馨の意味は?名付けのポイントを徹底解説!
「馨」は「カオリ」「カオル」と読ませた一文字名前で男の子、女の子どちらの名前にも使われます。ただ、日常生活であまり見かけない字ですし、「香」や「薫」といった同じ読み方をする漢字との違いも気になるところですね。納得のいく素敵な名前を考えられるように漢字の意味や由来など、「馨」の名付けのポイントをご説明します。
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「馨」漢字の読みや画数の基本情報
画数 | 20画 |
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音読 | キョウ、ケイ |
訓読 | か、かお(り) |
名乗り | かおり、かおる、きよ、よし |
意味 | 1. 良い匂いを発する、香気がたちこめる
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由来/ 成り立ち |
「馨」は、上部の「殸」が楽器を表す。その楽器の音が遠くまで届く様子を「香」と重ねて「香りが遠くにまで及ぶ」様子を表現した。 |
説明の 仕方 |
レスリングの伊調馨(かおり)選手の馨 |
「馨」の意味や由来は?
「馨」は訓読みで「かおる」と読み、「香」「薫」と同様に「良い匂いを発する、香気がたちこめる」などの意味をもつ漢字です。この漢字の成り立ちには「馨」の字に含まれる「香」を先に理解する必要があります。
「香」はもとは穀物のキビを表す「黍」と味覚の一つである「甘」を組み合わせた漢字だったといわれています。ここから、「キビを焼いたときの甘い良い香り」を表現して生まれたのが「香」でした。これにさらに「殸」を組み合わせて「馨」はできています。「殸」は楽器の名前のことで、その楽器の音が遠くまで届く様子を「香」と重ねて「(キビを焼いた)香りが遠くにまで及ぶ」様子を表現したのが「馨」です。ここから「良い匂いを発する」ことや、転じて「良い影響(評判)が広まる」ことも意味するようになりました。
男の子にも使われる「馨(カオル)」の響き
「馨」は「カオリ」「カオル」の響きで、女の子に限らず男の子の一文字名前にも使われる漢字です。「カオリ」や「カオル」と聞くと、すぐに女の子の名前を連想するかもしれませんが、「カオル」の響きは昔から男の子の名前にも使われています。
平安時代の小説『源氏物語』に登場する男性に「カオルノキミ」という登場人物がいたり、現在ではアニメ・漫画で「カオル」の名前をもつ男の子が登場したりすることも珍しくありません。同じ響きをもつ「香」よりも、「馨」は画数が多くしっかりとした印象があるので男の子にも使いやすそうです。
「馨」はほかにも「ケイ」の読みがあるので男の子なら馨吾(ケイゴ)や馨介(ケイスケ)、馨汰(ケイタ)など、女の子であれば馨子(ケイコ)や馨花(ケイカ)と使うことができます。
「馨」は「香」や「薫」とどう違う?
冒頭でも述べたように「馨」には似たような「漢字の読み」や「意味」をもつ漢字に「香」「薫」があります。辞書によっては3つすべて同じ意味で紹介しているものもありますが、ここでは漢字の成り立ちも含めたニュアンスの違いなどをご紹介します。名付けの参考にしてみてください。
【「馨」の特徴】
・画数:20画
・意味:「良い匂いを発する」
・特徴:「香」に「殸」を組み合わせて、「香り」「影響」が遠くまで届く様子を表現している。
【「香」の特徴】
・画数:9画
・意味:「良い匂い」
・特徴:キビを焼いたときの良い香りを表す漢字。嗅覚で感じられる匂いそのものを表現している。
【「薫」の特徴】
・画数:16画
・意味:「香草など香りがつく植物」
・特徴:袋に入ったものを火であぶる様子を表す漢字。「初夏の薫り」のように雰囲気などの抽象的な匂いを表現している。
周囲にいい影響を与える「馨」
「馨」のもつ「良い匂い」は人々を包み込む存在であり、影響を与える存在でもあります。熟語を見ても、「馨逸(けいいつ)」は「香気が普通と違って優れていること」、「馨香(けいこう)」は「良い匂い。転じて、良い感化」を意味し、基本的には「良い影響」「プラス面へのはたらき」を表現して使われます。「周囲を和ませる子に」「元気を与えられる子に」など、周囲にプラスの影響を与えてくれるような願いを込めてあげたいですね。
「馨」はあまり馴染みのない漢字ですが、とても良い意味をもった字です。「香」「薫」との違いも理解し、イメージにピッタリの漢字を使った名前を贈ってあげてくださいね。