朔の意味は?名付けのポイントを徹底解説!
ほかの漢字にはない特徴的な字面とどこか古風な印象を与えることから「朔太郎」などの男の子の名前でよく使われる「朔」。ただ、一字でどんな意味があるのか知らない人も多いと思います。「朔」を使った魅力的な名前を考えられるように意味や由来、名前に込められる想いといった、名付けのポイントをご説明します。
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「朔」漢字の読みや画数の基本情報
画数 | 10画 |
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音読 | サク |
訓読 | ついたち |
名乗り | きた、はじめ、もと |
意味 | 1. ついたち。陰暦で月の第1日目
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由来/ 成り立ち |
「逆方向」や「もとへ戻る」という意味を表す「屰」に「月」を組み合わせて「月が満ち欠けしてもとの状態に戻ること」を表す。 |
説明の 仕方 |
八朔(はっさく)の朔。詩人・萩原朔太郎の朔 |
「朔」の意味や由来は?
「朔」は「陰暦における月の第1日目」を表す漢字です。「陰暦」は別名「太陰暦」のことで、1ヵ月を「月の満ち欠け」を基に計算する方法を指します。現在一般的に使われる「地球と太陽の関係」をもとにした方法、「太陽暦」と対になる考え方です。具体的には、月が見えない状態から日に日に月が太っていき、満月となり、さらにまた欠けていき見えなくなる、この1周期を29~30日として「陰暦」では1ヵ月と考えていました。この月が見えない数え始めの1日目を「朔」といいます。
ここから「はじめ」の意味が生まれたり、さらに転じて干支の始まりが「子(ね)」であることから、干支を方角に当てはめたときの「子」が表す「北」の意味も兼ねたりするようになりました。
ミカンに似た果物の「ハッサク」の名前の由来もこの「朔」の字に関係があります。「ハッサク」は漢字で書くと「八朔」で、陰暦の8月1日頃から食べられるようになったためだといわれています。
この漢字の由来は、「逆方向」や「もとへ戻る」という意味を表す「屰」に「月」を組み合わせて「月がもとに戻ること」を表したことにあります。陰暦の1ヵ月の様子、つまり月が見えないところから徐々に膨らみ、また見えなくなっていく1周期を表現したのが「朔」です。
「朔」を使ってどんな名前を考えられる?
「朔」は1990年から名前に使える漢字として登録されました。その後、2004年に上映された『世界の中心で、愛をさけぶ』の主人公の名前が「朔太郎(サクタロウ)」だったことから、広く認知されるようになり、同名は2013年の明治安田生命の名前ランキングにランクインしています。ちなみに映画の「朔太郎」の名前は明治を代表する詩人・萩原朔太郎にあやかっているそうです。
「サク」の響きに漢字を組み合わせて朔也(サクヤ)や朔馬(サクマ)、朔翔(サクト)、佑朔(ユウサク)、栄朔(エイサク)など、どこか見た目に特徴的な名前を考えられます。
女の子に使う場合は、朔弥(サクヤ)や朔実(サクミ)、朔楽(サクラ)、「サク」の「サ」の音だけをとって、美朔(ミサ)や莉朔子(リサコ)、陽朔代(ヒサヨ)などと使われています。
「朔」の名付けのポイントは?
「朔」の漢字の印象は人によって様々で、なかには「名前に不向きでは?」と考える人もいます。その理由は、「朔」は陰暦の月の1日目、すなわち「月が見えない日」を表すから「暗い」と考えられたり、満月になったあとにまた細くなっていく点が挙げられたりします。
しかし、これらはとらえ方によっては「始まり」を表す前向きさとして考えることもできます。月の満ち欠けを何度も繰り返す様子は「反復→粘り強い」とも言い換えられます。
漢字の印象は人によって違うので、「自分はどう感じているか」を大切に名前を考えてみてくださいね。
人生のスタートを「朔」に込めて
物事の始まりを表す「朔」は、これから生まれてくる赤ちゃんの名前に使うにはピッタリの漢字ですね。
「人生のスタート」「将来への可能性」「挑戦」を願いに込めることができます。「これからの人生が素晴らしいものになるように」「果敢に新しいことに取り組む子になってほしい」「めげずに何度も立ち上がって前進してほしい」と表現できます。また「朔太郎」の名前を贈って、「萩原朔太郎」の名前にあやかって「文学の才能に目覚めるように」と考えることもできますね。
大いなる可能性に満ちた赤ちゃんに「朔」を使った素敵な名前をプレゼントしてあげてくださいね。
【組み合わせて使われる漢字】
栄朔(エイサク)
朔翔(サクト)
朔馬(サクマ)
朔也(サクヤ)
佑朔(ユウサク)
朔太[郎]((サクタロウ)