実の意味は?名付けのポイントを徹底解説!
一文字名前や他の字との組み合わせで様々な名前に使われる「実」は、名付けに人気の漢字の1つです。「果実」や「真実」などの熟語に使われ、普段から見慣れた漢字だからこそ、しっかり意味を知って赤ちゃんの名前を考えてあげたいですね。「実」の意味や由来、成り立ちなど、名付けのポイントをご紹介します。
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「実」漢字の読みや画数の基本情報
画数 | 8画 |
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音読 | ジツ |
訓読 | まこと、み、み(ちる)、みの(る) |
名乗り | これ、さね、ざね、ちか、つね、なお、のり、ま、みつ、みのる、みる、よし |
意味 | 1. 満ちる。一杯になる。栄える。備わる
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由来/ 成り立ち |
もとは「實」と書いた。「宀」は祖先を祀る建物の屋根を、「貫」は貨幣として使わた貝を連ねたものを表わし、2つを合わせて「豊か(充実した)なお供え物がある状態」を表現した。 |
説明の 仕方 |
真実の実 |
「実」の意味や由来は?
「実」はもともと「満ちる」という意味をもった漢字です。「果実」の意味だと思っていた人もいるかもしれませんが、これは後から生まれたもので、「満ちる→中身が一杯」と連想して皮の中にぎっしりと詰まった「実」を表すようになったのです。
この由来は「実」の旧字体である「實」から読み解くことができます。「宀」は祖先を祀る建物の屋根を、「貫」は貨幣として使われた貝を連ねたものを表わし、2つを組み合わせて「豊かな(充実した)お供え物がある状態」を表現しました。ここから様々な意味に展開され、誠意が心に「満ちた」状態を「誠実」というようになりました。そして、「実」に「誠」と同じ意味をもたせるようになり、*「まこと」「まことに」が追加されました。「真実」や「事実」はこの意味で使われている熟語です。
「実」は昔から名前に使われている漢字
「実」は、古くは藤原実頼(サネヨリ)や源実朝(サネトモ)など、平安時代から名前に使われていた漢字です。「さね」の読みは果実の中心である「核(さね)」から生まれたもので、国を司る中心人物にふさわしい字だと考えられていたのかもしれませんね。
最近では、女の子の名前にも良く使われ、男女ともに明治安田生命の名前ランキングにランクインする人気の漢字となりました。男の子なら拓実(タクミ)や達実(タツミ)など、女の子なら愛実(アミ、アイミ、マナミ)や実咲(ミサキ)、実由(ミユ)などどちらも「ミ」の響きで使われることが多いようです。
「実」は左右対称で美しい字面をもち、読み方もシンプルで分かりやすい特徴があります。悪い意味ももたないので安心して名付けに使え、流行り廃りに左右されない人気の漢字だといえそうです。
「実」は男女どちらにも使える漢字
古くから名前に使われていた通り、武士や貴族の名前に多用されていた字で、「誠実」「真実」などの言葉もあることから「まっすぐ素直」なイメージが考えられます。「実力」「実績」「実行」などの熟語からは、自ら進んで行動を起こすような「力強さ」をイメージすることもでき、男の子の名前を検討する場合に関連付けられそうですね。
旧字体の「實」は2004年から人名漢字として使えるようになったので、直線が多くどっしりとした印象に「サネ」などの古風な響きを組み合わせて名前を考えるのもいいかもしれません。
また、女の子の名前で使われているのは「実」が「植物の実り」をイメージさせる漢字でもあるためです。木の実や果実などを連想させ、「かわいらしい」印象を与え、女の子の名前にぴったりですね。実りの季節である「夏」「秋」といった季節と重ねることもできますし、その季節から連想して「さわやか」「落ち着き」と連想することもできますよ。
「豊かな人生を送れるように」と「実」に願いを込めて
先ほどのイメージを活かせば、「実」を使った名前に様々な願いや想いを込めることができます。
「誠実」「まっすぐ素直」なイメージから「誠実な人に成長してほしい」と願いを込められます。「飾り気がなく真面目で、強くしっかりしていること」を表す四字熟語、「質実剛健(しつじつごうけん)」と組み合わせて「芯の通ったたくましい子に」と表現することもできますね。
また「植物の実り」「かわいらしい」イメージをもとに、杏実(アミ)や実桜(ミオ)、実樹(ミツキ)、久瑠実(クルミ)などの名前を考えれば、「実りの多い人生を送れるように」「笑顔の花が咲くようなかわいらしい子に」と願いを込めることができそうです。
「実」は豊かな実りを連想させることから「生命力」を感じさせ、さらに「誠実」「まっすぐ素直」「力強さ」も兼ね備えたたくましさも表現できる字です。わが子なりの「実(核)」を見つけられるように願いを込めて、素敵な名前をプレゼントしてあげてくださいね。
【組み合わせて使われる漢字】
愛実(アミ、アイミ、マナミ)
杏実(アミ)
希実(ノゾミ)
実桜(ミオ)
実咲(ミサキ)
実樹(ミキ、ミツキ)
実由(ミユ) など