己の意味は?名付けのポイントを徹底解説!
「博己(ヒロキ)」や「拓己(タクミ)」など、「キ」「ミ」の響きで名前に使われる「己」。普段の生活のなかでは「自己○○」という言葉でよく目にするので「コ」の響きも有名ですね。この「己」を使って素敵な名前を考えられるように、一字で何を表すのか意味や由来など、名付けのポイントを詳しくご説明します。
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「己」漢字の読みや画数の基本情報
画数 | 3画 |
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音読 | キ、コ |
訓読 | おのれ |
名乗り | おと、き、これ、つち、な、み |
意味 | 1. おのれ。自分。私
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由来/ 成り立ち |
糸巻きの形を「己」は表している。その後に当て字として「おのれ、自分」の意味で使われるように。 |
説明の 仕方 |
自己紹介の己。「オノレ」 |
「己」の意味や由来は?
「己」は「おのれ、自分」の意味をもつ漢字です。漢字を組み合わせて「自己」と使えば「自分、その人自身」を表し、「自己紹介」「自己分析」など、様々な場面で見かける言葉となります。
この成り立ちはシンプルで、糸を巻き付けるための道具、「糸巻き」の形を描いた漢字が「己」だといわれ、当時は「(糸を巻きつけるように)選り分ける、おさめる」の意味があったと考えられています。その後に当て字として「おのれ、自分」の意味で使われ始め、「選り分ける、おさめる」の意味では使われなくなっていきました。
ちなみに、「選り分ける」の意味は「己」に「糸」を合わせた「紀」がもつようになったそうです。
「キ」「ミ」の響きで男の子・女の子どちらの名前にも使われる「己」
「己」は男の子、女の子どちらの名前にも使われ、その多くが「キ」「ミ」の響きに当てて使われます。
男の子であれば悠己(ユウキ)、康己(コウキ)、拓己(タクミ)、達己(タツミ)など、女の子であれば紗己(サキ)や美沙己(ミサキ)、夏己(ナツキ)、己玖(ミク)、己緒(ミオ)などが考えられます。
名前の最後に止め字として使われることが多いため、漢字の組み合わせによっては「キ」と「ミ」どちらの読みをするか判断が難しくなる可能性があります。また、男女両方に使われるので性別が分かりにくくなることもあるようです。組み合わせる漢字で「性別」や「読みやすさ」を示してあげると良いかもしれませんね。
【「キ」の響きをもつ漢字】
「紀」「貴」「希」「喜」など
【「ミ」の響きをもつ漢字】
「実」「海」「深」「弥」「美」など
「己」を名前に使うときの注意点は?
「己」を名前に使う場合には、漢字を間違えて覚えられ可能性があることを覚えておいてください。具体的には、干支(えと)のヘビ年を表す「巳(み)」や、止めるの意味をもつ「已(い)」などと間違われることがあるようです。これら3つの漢字は古くからよく間違われていたため、それぞれの違いを歌で覚えていたほどです。特に「ミ」の響きで「己」を当てた場合には「巳」と間違われる可能性が高いようです。
「己」にはどんな願いが込められるの?
漢字がもつ「自分」の意味から、「しっかりと自分の芯がある」「意思が強い」とイメージを連想できます。また、「己」を使ったことわざは古くからたくさんあり、ここからイメージを膨らませることもできますよ。いくつかご紹介するので、名付けの参考にしてください。
己(おのれ)の欲せざる所は人に施すなかれ
意味:自分が求めていないことは人も求めていないので、してはならない
己(おのれ)に克(か)ち礼に復(かえ)る
意味:私欲を抑えて、人間生活の基本である礼を重んじること
己(おのれ)に如(し)かざる者を友とするなかれ
意味:自分を向上させるためには、自分より劣った者を友にすべきではないこと
「自分」を指すだけでなく、他者との関係性から自分をとらえて「厳しく律する」姿もこれらのことわざから想像できます。
「自分の意思を強くもって生きてほしい」「自分の力で人生を切り開いてほしい」「周囲の環境に依存せず、自分を律して成長できる子に」と願いを込められそうですね。
「己」は画数が少なくシンプルな字面なので、どんな漢字とも組み合わせやすい一字です。漢字がもつ意味を理解して、「己」を使った素敵な名前を赤ちゃんにプレゼントしてあげましょう。
【組み合わせて使われる漢字】
悠己(ユウキ、ユミ)
拓己(タクミ)
達己(タツミ)
紗己(サキ)
美沙己(ミサキ)
己緒(ミオ) など