惟の意味は?名付けのポイントを徹底解説!
「惟」は「結惟(ユイ)」や「蒼惟(アオイ)」など「イ」の響きで男女どちらの名前にも使われる漢字です。ただ、名前以外で普段の生活ではほとんど目にしない字でもあるので、どんな意味があるかピンとこないと思います。「惟」を使った名前のヒントになるように意味や由来、イメージといった名付けのポイントをご説明します。
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「惟」漢字の読みや画数の基本情報
画数 | 11画 |
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音読 | イ、ユイ |
訓読 | おも(う) |
名乗り | あり、これ、ただ、たもつ、のぶ、よし |
意味 | 1. 思う。よく考える
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由来/ 成り立ち |
ツクリの「隹」は鳥を表す。鳥は古くは神の使いだと考えられ、鳥占いで神の神意を聞くことを「惟」といった。 |
説明の 仕方 |
「忄(りっしんべん)」に「隹(ふるとり)」を組み合わせた字 |
「惟」の意味や由来は?
「惟」は「おも-う」と送り仮名をふって、読みの通り「思う」の意味があります。この成り立ちは「鳥」を表す「隹」と「心」を表す「忄(りっしんべん)」を組み合わせたことに由来します。
諸説ありますが、「隹」が表す「鳥」は、古くは神の使いだと考えられて鳥占いに使われていました。そして、鳥占いによって神様の意志(心)を知ることを「惟」と呼ぶようになり、その後、一般の人々のあいだで「思う」の意味で使われるようになりました。「心で深く考えること」を表す「思惟(しい)」などの熟語はこの意味です。
また、「惟」には「ただ…だけ」という限定の助字で使われたり、漢字だけで文章を表した『漢文』の中で、文頭に置いて「これ」と読ませて使われたりすることもあります。これらの意味は「唯」と同じ用法なので、「ただ1つだけ」を意味する「唯一」という熟語は「惟一」とも使われます。
武士の名前に多い「惟」!どんな名前が考えられる?
「惟」は古くは「コレ」「タダ」「ノブ」などの響きで名前に使われていました。平安時代末期から活躍した武将・大内惟義(コレヨシ)や、江戸時代の彦根藩藩主である井伊直惟(ナオノブ)といった貴族や武士の名前に数多く使われています。
最近では音読みの「イ」を使った名前が増え、男の子で惟吹(イブキ)や琉惟(ルイ)、礼惟(レイ)など、女の子で葵惟(アオイ)や芽惟(メイ)、由惟(ユイ)などと使われています。
また、現在でも「コレ」「タダ」の響きは男の子に使われ惟仁(コレヒト)や惟成(タダナリ)、惟生(タダオ)と少し古風な印象を与える名前を考えることができます。
「惟」はどんなイメージをもつ漢字?
「惟」には「思う」の意味があり、「思惟」という熟語で「心で深く考えること」を意味するように「思慮深さ」「聡明さ」を連想させます。知的で落ち着いた印象を与え、しっかりと芯の通った強い心を感じさせますね。男の子の名前に使えば「誠実さ」や「凛々しさ」を、女の子の名前では「思いやり」と言葉をかえて想像することもできます。
ただし、日常生活では見慣れない漢字なだけに「唯」「維」といった漢字などと見間違えや書き間違えが起きる可能性はあります。そのため、組み合わせる漢字は、見慣れた字にするなど一工夫してあげるといいですよ。
「惟」を贈って落ち着いた子に
「惟」がもつ「思慮深さ」「聡明さ」のイメージを活かして願いや想いを込めてあげましょう。
たとえば、「物事をしっかり考え、冷静に判断のできる子に」「相手への配慮を忘れないでほしい」と考えることができます。武家の名前にも使われていたので、落ち着いた中にもしっかりと芯をもち、高い志をかかげている様子が連想されます
「惟」には名前に使えそうな響きがたくさんありますね。しっかりと意味や由来を知ることで、自分たちなりの願いや想いの込もった素敵な名前をプレゼントしてあげてくださいね。
【組み合わせて使われる漢字】
蒼惟(アオイ)
惟吹(イブキ)
惟仁(コレヒト)
惟義(コレヨシ)
惟生(タダオ)
惟成(タダナリ)
直惟(ナオノブ)
琉惟(ルイ)
礼惟(レイ) など